珊瑚は植物?それとも動物?珊瑚の生態についてご紹介!
珊瑚は昔から宝石として人気で、現在では珊瑚の需要が高まっています。希少性があり市場価値が上がっていることから、所有している珊瑚を高値で買取をしてもらうチャンスです。そこで、珊瑚は植物・動物、どちらに分類されるか知っていますか?そこで本記事では珊瑚の生態について紹介します。
珊瑚は生きた動物
珊瑚はイソギンチャクと同じ刺胞動物門に属しており、花虫綱・ヒドロ虫綱に含まれます。中でも、刺胞動物で骨を作っている仲間を総称して珊瑚と呼びます。木々のように枝分かれし、見ている感じでは動いていないので、植物のような気もしますが、動物に分類されるようです。
珊瑚は触手を能動的に動かして、プランクトンなどの獲物を狙い、捕食しています。珊瑚は体内に共生する褐虫藻が光合成して、エネルギーを供給してもらっています。よって、造礁サンゴは太陽光が届かない深海では生きていけません。
珊瑚の特徴
珊瑚はポリプ(珊瑚の本体)と石灰質の骨格から形成しています。ポリプは海の中のあらゆる場所に定着しやすい構造で、見た目はイソギンチャクに似ています。ポリプには触手に囲まれている口の部分から摂餌・排泄・産卵を行います。口の部分の下に胃袋と循環器の働きをする器官も存在しています。さらに、珊瑚は造礁珊瑚と宝石珊瑚の2種類に分類されているようです。
造礁珊瑚
誰もが知っている一般的な珊瑚は造礁珊瑚です。比較的、浅い海に生息しており成長が早く、珊瑚礁を形成します。造礁珊瑚のほとんどが無性生殖により増殖し、巨大な群体になっています。
宝石珊瑚
宝石珊瑚は深海(水深約100m以上)に生息している硬質の珊瑚です。太陽光が届かない深くて冷たい海底にひっそりと生息し、微小な浮遊物を捕食することでゆっくりと成長します。骨格はかなり硬く、磨くと美しい光沢が出るので宝石のようです。
珊瑚の増え方は2通り
ポリプが分裂して体の周囲の細胞を成長させて、新しいポリプを形成します。この方法は無性生殖といい、生殖巣を必要としません。ポリプ内の生殖巣で卵と精子を作り、受精・発生することでプラヌラ幼生を作り、岩に付着します。それが1個のポリプになり、増殖することを有性生殖といいます。
イソギンチャクとの違い
珊瑚はポリプから形成されていることが分かりましたが、イソギンチャクとの大きな違いを簡単に説明します。
骨格の有無
イソギンチャクも珊瑚も餌と排泄物は口の部分から出入りする構造は同じです。珊瑚には石灰質で構成された骨格を持ち、ハードコーラルとソフトコーラルに区別されています。骨格で体外を覆っているものをハードコーラル、体内に骨格が埋没しているものがソフトコーラルです。しかし、珊瑚のようにイソギンチャクは骨格を形成していません。体は基本、円筒状です。
珊瑚は基本移動できない
イソギンチャクの下面に足盤といわれるいくつかの房状の突起があります。ゆっくりとした時速数cm程度ですが、足盤を使用して移動が可能です。珊瑚には足盤はなく、住む場所を決めたら岩に固着し、一生その場で生活します。
群体を作る珊瑚が多いがイソギンチャクは作らない
無性生殖によって増殖し群体(珊瑚礁)を形成する珊瑚とは違い、イソギンチャクはほとんどが単独生活です。増殖はせずに、ポリプ自身が大きく成長します。
まとめ
珊瑚は刺胞動物門に属しており、イソギンチャクと同じ部門の動物です。刺胞動物門の花虫綱・ヒドロ虫綱で、骨を作っている仲間を総称して珊瑚と呼んでいます。珊瑚はポリプ(本体)と石灰質の骨格から形成されており、海の中に定着しやすい構造をしています。岩に固着したら、一生をその場所で生活します。珊瑚には造礁珊瑚と宝石珊瑚の2種類あり、増殖の仕方も2通りです。無性生殖と有性生殖があり、珊瑚礁を形成するものは無性生殖がほとんどとなります。また、イソギンチャクに似ていると思われますが、大きな違いは骨格の有無・移動能力の有無・群体形成の有無の3つです。