生息域は意外と少ない?珊瑚の主な産地について詳しく解説!
宝石の珊瑚は高級な宝石の一つです。珊瑚は真珠と並んで「海の二大宝石」と言われています。珊瑚は海に生息しているイメージがありますが、意外に産地や特性は知らない方が多いのはないでしょうか。そこで本記事では、珊瑚の主な産地や歴史、特性について解説していきますので、ご一読ください。
珊瑚の歴史とは?
海に生息している珊瑚ですが、3月の誕生石として、英語ではコーラル(coral)と呼ばれています。ほとんどの宝石は鉱物であり、鉱物でない宝石には真珠や琥珀、珊瑚などがあります。日本は宝石の産出量が少ないですが、珊瑚や真珠は世界的に有名な産地です。
ただ、日本で珊瑚漁が始まったのは1868年からで、それよりもずいぶん前から世界では希少価値の高い宝石として扱われてきた歴史があります。たとえば、約2万5千万年前にあたる紀元前にドイツの遺跡から珊瑚が見つかっています。地中海に生息していたため、大昔から神具や宝飾品として扱われていたのがわかっているのです。
また、珊瑚はシルクロードを渡り、ヨーロッパからやペルシャや中国に伝わり、その後奈良時代に日本に伝わったとされています。ただ、日本に珊瑚が伝わった奈良時代は、日本で珊瑚が収穫できることを知られていませんでした。日本近海で珊瑚が生育していると知られたのは1868年ごろなのです。そのため、1868年から日本で採取されるようになったという歴史があります。
珊瑚の特性
珊瑚は繊細な宝石として有名で、手入れを怠る、または間違った手入れをしてしまうと変色や光沢を失う原因になってしまいます。状態が悪くなると売却時の価値が大幅に下がってしまうため、こまめに手入れをして状態を維持しましょう。そもそも珊瑚は鉱物でも植物でもなく、珊瑚虫という生物に属します。
また、一口に珊瑚といっても、サンゴ礁を形成するものと、宝石になるものに分類されます。分類がわかれるのは珊瑚虫がどのような種類かによって決められますが、宝石になるもの8本の触手を持つ「八放珊瑚」に限定されるのがポイントです。
なお、どの種類のものでも主成分は炭酸カルシウムでできています。主成分が炭酸カルシウムのため、酸や皮脂、硫黄に弱い性質があります。そのため、珊瑚を身に着け、皮脂や汗がつくと状態が悪くなってしまうのです。一度身に付けたら、汗や皮脂を優しく拭きとるなどの手入れが必要です。お酢や果汁、しょうゆなども酸性のため、付着しないように気を付けましょう。また、温泉に入る際は、硫黄が付着しないよういったん外すのがおすすめです。
珊瑚の主な産地
珊瑚の主な産地といえば日本になるでしょう。ただ、いくつか種類があり、色によって白珊瑚や赤珊瑚などに分けられます。とくに赤色のものは価値が高いものとして認識されています。また、最高級品は血赤珊瑚と呼ばれ、血のような赤黒い色をしているのが特徴です。赤色の美しさから名づけられたのですが、世界中で高値取引がされています。
日本は赤珊瑚の産地として有名で、とくに土佐湾は血赤珊瑚の一大産地です。高知県を中心とする日本海周辺では赤珊瑚や桃色珊瑚も採取できます。ただ、近年では地球温暖化の影響や乱獲の影響により、収穫量が減少しています。繊細な珊瑚は生育できる場所が限られているのに加えて、成長するまでに時間がかかるため需要と供給のバランスが合っていない状況なのです。
珊瑚の歴史は古く、昔から宝飾品として扱われていたのがわかっています。意外かもしれませんが珊瑚は日本が主な産地となっています。ただ、珊瑚は繊細な性質のため、宝石として身に着ける場合は取り扱いに注意しなければなりません。また、地球温暖化や乱獲の影響により、採取できる量が年々減少しているのが現状です。