珊瑚の種類ごとの産地について解説
珊瑚といっても、種類や産地などは詳しく知らない場合が多いかと思います。珊瑚の種類によっては、手軽に使用できる身近な物に加工されていたり、希少価値が高く、なかなか手に入らない高級品だったり、採取される場所にも違いがありますが、今回はより詳しく説明するので、気になる方はぜひ最後までご覧ください。
日本産の珊瑚の種類
まずは、日本で採取できる珊瑚について詳しく説明します。
血赤珊瑚
産地は土佐湾・沖縄で、日本近海の小笠原列島や五島列島、奄美大島、沖縄、宮古島周辺で採取され、水深100mから300mの海底から引き上げます。日本産の赤珊瑚の中でも特に色が濃く、その美しさは一級品とも言われ、色調が深ければ深いほど価値が高いです。土佐湾で採れる血赤珊瑚はオックスブラッドと呼ばれ、世界的で特に希少価値の高いとされています。
赤珊瑚には人間の骨のような筋があり、地中海産の赤珊瑚には無い特徴のため、日本産と地中海産を見分けるポイントとして有効です。宝石に使用する珊瑚は球体をした丸玉が特に人気が高いカットで、指輪やネックレス、ブローチなど幅広い宝飾品に使用されます。血赤珊瑚の原木根本の直径は3cmほどですが、平均的な枝の太さで作れる丸玉は8mmまでなため、10mm以上の綺麗な丸玉は希少価値がかなり高く、そのため買い取り額も高額になりやすいです。
地中海産の赤珊瑚の種類
つぎは、地中海の珊瑚について詳しく説明します。
赤珊瑚
産地は地中海で、イタリアやフランス、スペイン、ギリシャなど、地中海沿岸の各国で採取され、紅珊瑚とも呼びます。イタリアにあるサルディニアという島の名前にちなみ、サルディという愛称で呼ばれ、各国で採取できるのが特徴です。水深50mから200m、ダイバーが採取できるほどの浅い場所に生息しています。単一の色味をしており、日本産よりもやや明るいです。材質が柔らかいため、内部の傷や内包物が白濁と見られてしまったり、傷穴が多い欠点があります。
日本産と地中海産との大きな違いは、地中海産には日本産の赤珊瑚にある人間の骨のような筋が無いため、珊瑚自体の色ムラが少なくなり、自体的に綺麗な仕上がりになりやすいです。原木の高さは20cmから30cm、枝の直径は10mmから15mmと比較的小ぶりです。作れる丸玉は6mm前後なため、ビーズのように束ねてブレスレットにしたりと、身近な装飾品に使用されます。
桃珊瑚
産地は日本海で、日本近海の小笠原列島や五島列島、奄美大島、沖縄、宮古島周辺で採取され、水深200mから500mの深い海底に生息しています。赤や白、ピンク色など幅広い色味を持ち、桃珊瑚の中で薄いピンク色をした単一な珊瑚を海外ではエンジェルスキン、日本では本ボケと呼び、エンジェルスキンは幻の珊瑚と呼ばれているため、特に高値で取り引きされるのが特徴です。
桃珊瑚の原木は最大級で高さや幅も1mを超え、重量は40kgを超えます。粘り気のある材質で、日本産の赤珊瑚と同じく人間の骨のような筋があります。彫刻にするのに適しており、ブローチやペンダント、帯留め、仏像などに多い種類です。
東シナ海・ミッドウェイ産の珊瑚の種類
最後に、東南アジア周辺の珊瑚について詳しく説明します。
白珊瑚
産地はミッドウェイで、中部太平洋で採取されます。日本沿岸から東シナ海、南シナ海を経て、フィリピンやベトナム辺りまでの広い海域で採取が可能です。水深100mから400mの海底に棲息しています。色味は薄い桃色やセピア色が多く、純白の白珊瑚は希少価値の高い代物です。原木の表皮は柿色をしており、加工をする前の状態は桃色珊瑚に似ています。
まとめ
日本産や地中海産などの違いだけでなく、採取される海底の深さや産地、材質にも違いがあります。珊瑚の特徴や材質の違いを活かし、ブレスレットや指輪、ネックレスなどの装飾品から、ブローチや帯留め、仏像など、高価な加工品へと、幅広い用途に使用しやすいです。高値で取引される珊瑚は非常に希少価値が高く、原木の高さや重量も最大になるにつれ、採取される原料の量にも差が出てきます。
見た目の綺麗さだけでなく色味にも違いがあるため、加工したい物との相性を考えるのも大切です。必要とする珊瑚の見た目や、適している加工の仕方、加工後の見た目などにも注目をしながら、珊瑚選びの参考にしてください。珊瑚によっては別名や愛称があるため、ぜひ覚えておきましょう。